日本人は、なぜ英語が話せないか

 

なぜ日本人は英語が話せないのでしょうか?

TOEICなどの英語テストでは、国際的にいつも下の方です。

 

外国人が日本に訪れていますが、どこの国の人でもある程度英語を使います。

あの人たちは、すごい努力をして、苦労して英語を習得したのでしょうか?

 

あの人たちは、日常から英語を話す人たちが周りにいて、日常的に英語を使っているのでしょうか?

 

実際は、多くの国で、日本と同じように、日常は母国語を使い、英語を使う機会は日本よりは多いかもしれませんが、「日常的に使っている」訳ではないようです。

 

また、小学校から英語を学んでいる国が多いわけでもなく、我々と同じように、中学、高校などで英語を学ぶのが普通のようです。

 

また、「日本語が特別の言葉」という理屈も聞きますが、確かに英語とは離れた言葉でしょうが、日本でも話せる人は話せるのですから、それも大きな理由ではないような気がします。

 

例えば、スケートをしたことがない人であれば、まず氷の上で長靴で歩いてみるとか、スケート靴を履いて、へりにつかまって進むとか、誰かと手をつないで進むとか、誰でもそういったことは思いつきます。

 

ところが、英語になると、文を暗記するとか、音読を何回もするとか、CDなどの教材を何度も聞くとか、ロールプレイを行うとか、いずれも「ネイティブが話す完全な英語を教材として使う」ということが多いのではないでしょうか。

 

これでは、氷の上に線を引いてその上を完璧に滑る練習をするようなもので、万人向きではありません。

 

とにかく滑ってみる、滑るのを楽しむ、少しずつスピードが出たり、手の振りや足の出し方が身に付いていく、英語もこうありたいものです。

 

多くの日本人が英語を話したいと思っています。

 

英語を話せるようになるためには、「英語を話す」ことが最優先されるべきです。

 

まず、話してみることです。

まちがったことを話しているとまちがった英語が定着すると思う方もいるかもしれませんが、何回まちがったからと言って、同じにまちがっているわけではありません。また、習っていると、知識が少しずつ増えますので、自然に直っていきます。

 

逆に普段簡単なことも自分の言葉で話してみる練習が少ない人は、三単現のsを付けられなかったり、過去形のedを忘れてしまったりして、そのレベルをいつもぐるぐる回っています。そういう人に限って、現在完了形の使い方は?、未来形の使い分けは?、みたいなことが気になって仕方がありません。

 

非ネイティブの外国人で、英語を話している人たちは、まず、簡単なことを何回も話しながら、その簡単なことが早く話せるようになっていきます。単語も少しずつ増えていきます。

 

同じ時間英語を学習していても、日本人は、難しい単語を知っていても、簡単な単語が出てこなかったり、それほど使わない文法項目まで知っていても、基本的なことがはっきりしていなかったり、結局話せず、少なくとも引っ掛からずには話せません。それに対して日本以外の国の人たちは、話していること自体は高度なことではないのですが、スムースに滞ることなく話しています。